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【呪術廻戦/五条】嘘がつけない

第10章 二人で仙台


仙台の街中からたった1時間で、すでに民家が減ってポツポツと家がある田園風景になっていた。

「こっちもまぁまぁな田舎だねー。」
「本当だ。綺麗な場所。」

「もうすぐのはずだ。」
私はふぅと深呼吸をした。






タクシーの運転手さんには、近くで待ってもらうようお願いをして、私達は小さな一軒家の前にいた。
電話番号を知らないし、手紙も出してないから、本当に電撃訪問状態だ。


お庭にはお花がたくさん植えてあって、小さな畑もある。

キョロキョロと眺めていたら、花壇の中から人が立ち上がった。


「…っ!」

パチリと目が合った。

ーー…祖母だ。


数年前に一度だけあった時とあまり変わらない。

白髪混じりの私のおばあちゃん。




「アンタは…」
「こ、こんにちは。お久しぶりです。急にお邪魔してごめんなさい。」
「…。」


名前を呼ばれ、覚えてもらっていたことに少し驚きながら頭を下げた。



「何のようだい。」

少し低い声で、淡々とそういった。
久しぶりの孫だというのに、笑いもしない。


「私の親戚に、“阿曽のおばちゃん”と呼ばれる方がいたと聞いたんですけど、何か知ってますか?」

私も淡々とそういった。
悟さんはずっと私の後ろで、私を見守ってくれていた。


「…それだけを聞きにきたのかい?」

明らかに嫌な表情だ。

「はいーー…」

「じゃあ、アンタも変なもんが見えるってことかい。」
「…やっぱり!」

呪霊のことだろうと、すぐにわかった。

「10歳も歳の離れた妹だ。いつもどこか空を見てぶつぶつ話す子で不気味だったよ。」

祖母には見えなかったのだろう。
確かに見えない人からみたら、不思議な行動に見えるだろうけれど、血のつながった姉妹でこんな風に言われるのは少し悲しかった。

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