第2章 二人はずっと一緒
そろそろ日付が変わる頃だ。
天国だからと堕落しすぎてしまっている私は、部屋の奥にあるお風呂に向かった。
私のお風呂の3倍の大きさ…。
木の湯船なんて、温泉旅館でしか見たことがない。
タオル片手に口を開けて、中を眺めた。
「個人宅にこんなのあるなんて…」
備え付けられたシャンプーに手を伸ばし、私はのんびりとお風呂を堪能することにした。
熱すぎないいい湯加減だ。
「それにしても、人生何があるかわかんないなー。」
濃い一日だった。
呪いの世界。
私がいつも見ている、変な生き物は関係あるんだろうか。
「今度五条さんに聞いてみようかな。」
といっても、彼が同じものを見えているのかどうか私にはわからないけど、私の心臓から小さな生き物を取り出した感じを見ると、きっと見えているのだろう。
ーーー…五条さん。
私はふと、昼間の青い瞳を思い出した。
青い瞳。と一言で表すにはなんか違う気がするほどの、綺麗な瞳だった。
あれを隠すためにいつも布で隠しているのだろうか。
サングラス姿のラフな格好もカッコよかったし…。
サラリとした白い髪の毛に、あの瞳……
「五条……悟さんかぁ…。」
ぽけっと呟き、私はお風呂から出て脱衣所でバスタオルに手を伸ばした。
とたん、部屋からバタバタと大きな音が聞こえきた。
「っ!?」
「へっ…」
お風呂場のドアを壊す勢いで開けてきたのは五条さん。
もちろんこちらは素っ裸。
「きっ…きゃぁぁぁーーー!!」
私は胸を押さえ座り込んだ。
なんで、この人入ってきたんだろうか。
しかもサングラスも何もしていない、あの瞳で。
「何があった!?」
「ちょっ!…まって…!」
こちらの格好などどうでもいいのか、私の肩を掴み顔を覗き込んできた。
何もかも見透かされているようで、私は目を逸らし、必死に胸を隠そうとしていた。