第2章 二人はずっと一緒
最高だ。
カーテンをしめ、暗い部屋の大画面で推しの動画。
ーーー…最高だ。
夜にはご飯が運ばれてきて、私は一人で完食すると、また女中さん?が食器を持っていってくれた。
飲み物もコーヒー紅茶水ジュースお酒まで、なんでも言っていいと言われ私はお水を要求した。
初日はお酒はちょっと遠慮しておいた。
「お酒飲むと心拍数あがるけど、それもバレちゃうのかな。」
そういえば、私の心臓は今のところ静かだ。
五条さんがずっと正常で、冷静であるって事なんだろう。
食後にぼーっと動画を見たいると、コンコンと部屋をノックされ私は背筋をのばした。
「はい。」
「開けるよー。」
五条さんだ。
鍵を開け、ドアを開けた五条さんは、昼間の服とは打って変わってリラックスした格好だった。
ネックウォーマーらしき布もとられ、小さなサングラスに変わり、ロンTをだらっときた姿は、何ともカッコよかった。
黒い布をとった五条さんの髪の毛はピンピンと上に跳ねることなく、サラリと落ちていた。
「ご飯、ありがとうございました。」
「いいえ。入っていい?」
紳士な五条さんは女性の私の部屋にどかどかと入らず、私に聞いてきた。
「どうぞ。」
そう言って入ってきた五条さんは一人がけのソファに腰掛けた。
「急に仕事あけなきゃだからさ、明日はちょっと近くの学校に寄ってくるね。しばらく一緒っていったけど、すぐ帰ってくるから。」
「学校?」
「そ。僕先生。」
「えっ。」
先生っぽくないって思ってしまった。
「呪術の先生なの。そんな疑う顔しなーい。」
「バレちゃった!」
「生徒たちに課題を与えてくるから。一人の時、この部屋からでちゃダメだよ。」
「わかりました。」
もとより出る気はない。
こんな天国、出る必要もない。
「でもその間、何かあったら電話していいから。誰か訪ねてきても無視だからね。」
最後念押しをして、五条さんは自分の部屋に帰っていった。