第8章 二人で一緒に
新横浜駅の近くのホテルに適当に車を停めると、悟さんは車を回収するよう伊地知さんに電話をかけていた。
どんどん進む悟さんの後ろにピッタリひっついて歩いた。
「人、多いから離れないでね。」
「うん。」
ホテルでチェックインしてる間も私は悟さんの真後ろに立って待っていた。
「行くよ。」
「はいっ。」
荷物を抱え直し私は一緒にエレベーターに乗り込んだ。
「悪いけど…。」
悟さんは私の荷物を代わりに持ってくれた。
「部屋別々は危ないから出来ないよ。」
「…うん。」
「は嫌かもしれないけど。」
ぽそっと呟いた悟さんに私は下を俯いた。
私のせいでそう言わせてることに罪悪感を抱いた。
悟さんに着いて、ホテルの部屋に入ると、シングルサイズのベッドが二つ並んでいた。
なんとなく恥ずかしくて頬が熱くなった。
「…ねぇ。こんな時に……。」
「え?」
「いや、何でもない。」
…あっ。もしかして私今ドキドキしてしまっただろうか。
ベッド見てドキドキするのが悟さんに筒抜けなのがまた恥ずかしい。
私は自分の胸をぐっと押さえ、深呼吸をした。
「明日も早いからシャワー浴びておいでよ。」
「いえ!悟さんからどうぞ!運転いっぱいしてくれたし。」
荷物を下ろしながらそう言ってくれたけど、私は手を振って遠慮した。
私は助手席に居ただけだ。
「その無下限のやつもずっとしたままなんでしょ?休んで?」
「…無下限は別にいつもしてるから大丈夫なんだけど、まぁいいや。じゃあ先いくね。大人しくしてて。」
言われなくてもどこも行かない。
誰か来ても無視するし、気を抜かないようにする。
自分に言い聞かせ、私は靴も脱がずベッドに座ってスマホで時間を潰した。