第7章 二人のこれから
「あと、もうひとつ思い出したことがあるの。」
私がそう切り出すと、二人は黙って聞いてくれた。
「私の祖母の姉妹に『阿曽のおばちゃん』って呼ばれてた人がいたような気がするの。」
「それは有力じゃん。」
「私は会ったことはないし、どこに住んでるのかもわかんくて…。でも、私の母が話の中でそう呼んでる人がいた気がする。」
私がそう伝えると、悟さんは少し困った様な表情になった。
「でも、の両親…」
きっと調べて知っているんだろう。
「うん。数年前に事故で亡くなってる。」
「祖母は?」
「祖母は田舎にいると思う。でも、お葬式の時に会ったくらいで、あまり知らなくて…。仙台の方に祖母はいるはず。連絡先は知らないけど、両親の香典まとめたやつに住所はあったよ。」
私は自分の記憶を頼りに話した。
「今住んでるマンション?」
「ううん。両親の家。誰も住んでないけど、私の実家だったからとってあるの。神奈川だよ。」
ということは、一度神奈川の実家に戻り、住所を確認して、仙台の祖母の家に行き、そこで阿曽のことを聞き出して、おばちゃんのところに向かう。と言うことになる…?
私はかなりの遠出になりそうだと首を振った。
「…別にそんな急に阿曽のおばちゃんのところに行かなくてもいいか。」
急いで行く必要があるだろうか?
「いや,行こう。」
悟さんが言った。
「もしかして、この心臓の繋がりも浄化と関係あるのだとしたら、小さな手がかりでも行ったほうがいい。」
「そうだね。私も行こうか?」
傑さんの言葉に悟さんは首を振った。
「いや、特級術師二人も抜かさせるわけにはいかない。僕とで行ってくるよ。」