第7章 二人のこれから
「中にいろんな種類の呪霊を入れておいて正解だったな。」
傑さんにも私の浄化の特性を話し終えると、傑さんがそう言った。
「私も高専にある本に“阿曽”について記述があるか調べてみるよ。」
「いや傑には、僕とに呪いをかけた呪霊を探して欲しい。いま、傑の連れに頼んでるんだろ?最近をつれて結構うろついたから、ちょっと警戒した方がよさそうだ。」
「わかった。人数を増やして、私もそちらに回ろう。」
「宿儺はそれも知ってた。」
二人の話に私は口を出した。
するとすぐに悟さんがこちらを見た。
「それって?」
「何で私と悟さんの心臓に呪いをかけたのか、宿儺は知ってるみたいだった。」
「…なんで宿儺が。もしかして、の浄化に関係あるのか?」
腕を組み悟さんが言った。
「それも私が宿儺の相手をすることを条件にまた教えてやるって。」
「その“相手”ってなんなのよ。」
「…。」
「オセロでもすんの?んな訳ないよね?」
悟さんは指先を私の鼻の頭にちょんっと当ててきた。
「だから…私と平安時代の阿曽巫女が似てるって言ってたから、同じ様にしたいんだと思う。怖かったけど、殺しはしないっては言ってくれたから…。」
「宿儺の言うことは信用できないよねー。」
「まぁ。そうだけど。」
ギリギリ微妙なニュアンスで私が言うと、悟さんは眉を寄せた。
「しかし、何故宿儺はそう簡単に虎杖悠仁から出てこれたんだ?」
傑さんが言うと、悟さんは肩をすくめて続けた。
「以前悠仁とも何か約束事をしたようではあるんだけど。悠仁は憶えてないみたいなんだよね。」
「記憶を消すこともできるのか。宿儺は。」
「うーん、悠仁の場合は身体が一緒だからってのもあるかもな。その約束事を破らない程度に出てきたのかもしれない。」