• テキストサイズ

【呪術廻戦/五条】嘘がつけない

第7章 二人のこれから



悟さんはしばらく進むと、森の茂みを指差した。


「あそこ、見える?」
「はい。」


白く隠れる様にいる小さな呪霊。


「今僕は呪力を抑えてるから、僕から逃げることはないと思う。から近づいてみて。」
「…はい。」

どきどきする。

「あれは4級のちいさいやつ。前と同じだからきっと浄化できる。頑張って。」

私は頷くとゆっくり茂みに近づいた。


目がたくさんあるーー…。

けれど、怖くはなかった。


子猫くらいの小さい呪霊は私と目が合うと、じっと動かずこちらをみていた。


「…前もだったけど、動きを止めるね。」


後ろで悟さんが呟いた。


両手を伸ばした。


触れるより前に、呪霊は目を閉じ、空気に紛れていくかのように消えていった。


「改めて見るとすごい力だな。」
「…うん。」


なんだか、自分が消しているのだと思うと、少し怖くなった。



「少し大きいやつのところに行くよ。平気?気分は。」
「大丈夫。何ともないよ。」



いくら悟さんに緊張しているからといっても、やる事はやらないと。私は悟さんを見て、頷いた。




■□■□■□



「次はあれ。」


私よりも少し大きい、ムーミンの様にどっぷりとした形の呪霊だ。
ムーミンといっても、見た目はとても気持ち悪い。

私はその見た目にちょっと後退りしてしまったが、ゆっくりと近づいた。

相手は私に気付くと一瞬逃げようとしていたが、悟さんが手を伸ばすと、何も出来ないのかピタッと止まって動かなくなった。


「僕が逃げないよう止めとくから。」
「うんっ。」

私は小走りに近づいた。


やっぱり同じ様に目が合うと、力が抜けた様に動かなくなり、触れそうになると呪霊は消えたいった。



「このくらいなら余裕で浄化できるんだな。そりゃから逃げるよな。」

さらっと消えていく呪霊たち。
私は空を見上げた。


「まさに“浄化”だな。天国に行くみたいな。」


ーーー…呪霊たちは消える時何を考えているんだろうか。


私はふとそんなことを考えた。


/ 423ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp