第7章 二人のこれから
ぎゅっと自分の服を握りしめた。
頭の中で整理が追いつかない。
宿儺にキスされたことを黙っていなきゃいけないことも。
聞かされた自分の浄化という力のことも。
まだ明かされてない謎のことも。
私の血、体液を含み“美味い”と言っていた二人のことも。
何から考えていけばいいのか、わからない。
「そ。」
そっとしといてと、私に言われ、悟さんはそっけなく返事をした。
ズキズキと痛む胸。
ーー…別に悟さんが悪い訳でもないし、こんなにも好きなのに。
好きだからこそ怖かった。
「悩むくらいなら教えて欲しいもんだけどね。ま、いいや。気が向いたら教えてよ。とりあえず、今は浄化を見せてくれる?」
私は背中を向けたまま頷いた。
今は優しくされるより、そっと距離を置いておいてくれた方が私には良かった。
部屋から出ていった悟さんの後ろを、私もついていった。
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「お待たせ、傑ー。」
「あぁ。」
五条家の屋敷の近くの森に帳を下ろしたらしく、ここには何種類かの呪霊をはなったと言っていた。
「じゃあ、。一緒に帳の中に行くよ。傑、外頼んだ。」
「あぁ。」
悟さんに手を差し出され、私は手を重ねた。
目の前ほ水の幕の様なものの中に、悟さんが入っていくのに、私もついていった。
「あ。」
「ん?どうした?」
「そういえば、幕が見える。眼鏡も…」
入った瞬間夜の様な暗い感じになって、私は自分が眼鏡をしていないことに気がついた。
「あー、宿儺の呪力にあてられたんだろ。」
「宿儺の?」
「…近くにいすぎたのかもな。」
手首を掴まれ森の中を歩く。
「…。」
宿儺の呪力に?
もしかして、あの時に入れられた?
悟さんに掴まれている手首が少し痛い気がした。