第7章 二人のこれから
「戸惑ってる?何?宿儺に何か言われた?」
私の表情に気づいたのか、横に座っていた悟さんの手が私の手に重ねられた。
私は咄嗟に立ち上がった。
「…いや…あの、色々…ありすぎて。」
手を振り払ったのは、あからさますぎただろうか。
悟さんは黙って私を見ているようだったが、私は見ることができなくて、なんとく外に行く準備をするふりをした。
「浄化…するのに、何も準備いらないか…」
「。」
誤魔化しが効かない。
「何があった。」
肩を掴まれ、視線を無理やり合わされる。
目隠し越しであろうと、それでも見ることが出来なくて、私は横に視線を向けた。
「だから…っ、色々聞かされてパンクしそうなのっ。」
「なんで僕を避けるの。」
ビクッとしてしまった。
自分の馬鹿さ加減に腹がたつ。
避けようと意識してる訳ではないけれど、やっぱりもやもやが晴れなくて。
宿儺も悟さんも、『心地いい』『美味い』と言っていた。
悟さんも同じ様に思ってた…?
私が好きでキスするんじゃなくて、無意識に美味しいと思ってた?
私の横は…浄化のせいで心地よかった…?
「なんでも…ない。」
「そんなことあるか。俺を見ろって。」
少しキツイ口調に、私は首を振った。
「色々考えたいっ。ちょっとそっとしておいて欲しい。」
私は悟さんの胸を軽く押した。
「…ごめんなさい。」
私は悟さんから距離をとった。