第7章 二人のこれから
私はいつもの自分の部屋に戻り、今日のことをぐるぐると考えていた。
浄化の力かーー…
ベッドの上で自分の手を見つめた。
私が呪霊に触れようとした時、すーっと消えていった呪霊。
あれがきっと浄化されていったってことなんだろう。
今まで私の周りに呪霊たちが近寄らなかったのは、きっと浄化されたくないから。
「実感湧かないなー。」
ぐっぱっと、手を握ったり開いたりして呟いた。
“阿曽”
そういえば、私のおばあちゃんの姉妹に、『阿曽のおばちゃん』って呼ばれてる人がいた気がする。
あったことはないけれど。
悟さんに伝えた方がいいだろう。
「ー、入るよー。」
「あっ、はい!」
私は今、悟さんに緊張している。
「どうしたの、そんな背筋伸ばして。心臓も凄いし。」
にぱっと笑いながら私の部屋に入ってきた悟さん。
そんな悟さんの顔を見れなくて、私は自分の膝に視線を戻した。
「あ、…自分の力のこと考えてて。」
悟さんはいつもの呪術師の格好で目隠しをしていた。
「そっか。そのことだけどさ、浄化の力を見てみたいんだ。いい?」
「それは、いいですけど。」
「傑と話してさ、少し離れたところで帳の中に色んな種類の呪霊を放ったんだ。」
「いろんな種類の?」
私は顔を上げて悟さんをみた。
悟さんはベッドに座っていた私の横に腰掛けた。
「そ。それでどの呪霊が浄化できるのか調べてみようよ。そしたらわざわざ宿儺に情報提供してもらわなくってもいいでしょ。」
「…。」
「宿儺に会う頻度は少ない方がいい。というか、もう会わない方がいい。」
私は頷いた。
まだまだ知りたいことはたくさんある。
自分でもできることはやっていきたい。