Peridot 幸せの花咲かせましょ〜初恋と宝石Ⅶ〜
第93章 俺の手がキミにとって安心な場所になる様に頑張るからさ
雅紀から未唯彩へ
雅紀side
(え?)
未唯彩……一見、自分の想いをハッキリと伝えてるように見える未唯彩。
未だ『相葉先生』呼びの、微妙な距離を保っている。キラキラと大きな瞳をますます大きくして、クラゲを見つめている未唯彩。
スッ
「相葉先生?」
俺は、左手を彼女の右手に絡ませて。俺、知ってるよ?キミが他の人には中々を想い話さないの。
人との関わりを極力少なくして、本当に信頼出来る人間にしか心開かないようにしてたんだよね。
傷つかないように。心を守っていたんだよね。
「俺の手がキミにとって安心な場所になる様に頑張るからさ」
未唯彩side
相葉先生は、私の強がりバレてる。失礼な物言いでたくさんツッカかったのに。笑って許してくれた。『タバコ辞めろ』ダメな事はダメときちんと言ってくれた。
私、相葉先生に心許してた……
『半年後、考える』
高校最後の夏休み。あの日。そう答えた。半年間。相葉はいつも誠実に私に想いを伝えてくれた。私も心の中で私の心の声を聞いて来た……
スッ
「未唯彩?」
私、相葉先生の左手を右手でキュッと握り返して。ビックリしたみたい。
「『少しでも望みはあるのかな?』って言ったのま、雅紀さんですよ?時間がかかっちゃいました。ゴメンなさい。とっくに答えは出ていたのに……」