Peridot 幸せの花咲かせましょ〜初恋と宝石Ⅶ〜
第5章 カオスな空気
「サクショウに。ハマミサとフミハマ。オイラは……「オオサト」かな?「サトオォ?」ァハハ」
酔っぱらい……
「ん?忘れたの?大ちゃんは「サトオオ」だょお」
相葉センセうるさい……
「っと!」
「ちょっと!智くん!大丈夫?」
義兄の……智さんが連れて来た女性が、フラついてバランスを崩したのを、咄嗟に支えてる。
「あんがと。梨良ちゃん」
りら。と呼ばれた女の子。女性と言うより可愛らしい女の子。お酒飲んでるって事は、私より年上?なんだよね?
ってくらい「可愛らしい人」
りらさん。ポっと頬を桜色に染めてる……
(へぇ)
相葉センセに噛みついた未唯彩は、憮然とした表情……楓未奈。超人見知り発動して表情消しちゃったよ。
「梨に良い子の良いで、梨良ちゃん。オイラの高校の同級生。カズも。あ、和也と書いてかずなりね。雅紀(まさき)くんは、幼馴染みのお兄ちゃんで、梨良ちゃんのお兄ちゃん」
智さん、聞いてもないのに……
カオス……耐えられない。
「未唯彩、楓未奈。上行こ?」
「うん」
私も、注意してるのよ。未唯彩に。タバコを咎められた未唯彩は、バツの悪そうな顔してるし。空気に徹してる楓未奈が可哀想で……
「みんな、もう遅いから泊まってらして?」
義母の智紗さんは、オロオロ。
みんな、立ったまま。カオス……
でも、
「智紗さん、私の物言いも無しでした。ごめんなさい」
ブブブ……
誰かの携帯?
「は?何でアニキに、んな事言われなきゃなんない訳?荒れてる?おふくろは長男の潤(じゅん)がいればいい人じゃん。それに、俺、松本(まつもと)じゃなく二宮(にのみや)になったの。じゃ」
なんか、聞いちゃ悪い内容……
「もう、ホント無理!行こう!」
私は、未唯彩の右手と楓未奈の左手を掴むと、2階に逃げたの。