第75章 優しい女の子達

　『松本さん。二宮さん可哀想……』

　楓未奈ちゃん。キミは俺の事を優しいって言ってくれたけどさ。キミほど優しい。心の綺麗な女の子はいないって思うね。だって俺のために泣いてくれたんだよ？

『心配ないよ。母親は泣きながら俺とカズに謝ってくれてさ 。父は、まぁ、言葉少なだったけど『ゴメン』って何回も繰り返してたしね 。それに『出来る事ならやり直したい』って母の言葉にさ、父が同意したんだよ』

『……』

　−−

　居酒屋

「あ、その件、俺も結翔ちゃんに説明したらさ、すげぇビックリして大きな目をますます大きくしてたよ？楓未奈 ちゃんもでしょ？」

「うん。けど『良かった。両親が仲が良い事が一番ですもの』そんな事言うんだもん。もう優し過ぎじゃね？心が綺麗過ぎて涙が出そうになってさ、危なかったもん」

「結翔ちゃんも同じ事言ったよ。俺はチョッと泣いちゃった。って、まぁくん？」

　カズが呆れたような声出してる。


「優しいねぇ、雅紀くんは。雅紀くんが泣いてるよ」


　優しく微笑んでくれる智くんと。


「だってぇ」

　泣いてくれた雅紀くん。

「サンキュ。雅紀くん。未唯彩ちゃんもだろ？」

「うん。俺の家庭が仲良いの褒めてくれた」


「楓未奈ちゃん、未唯彩ちゃん、結翔ちゃん。梨良ちゃん。優しい女の子達だよね」