第68章 雅紀。兄の梨良への想い。和也。梨良への友情

　智&梨良エピソード

「婚約しましたぁアイリラちゃんと！」

「はぁ！？」

　あぁ、雅紀くんショックで固まっちゃった。

「雅紀くん。梨良ちゃんへの想い本気です。俺、梨良ちゃんを絶対に幸せにします。約束致します」


「ぇ、う、うん。大丈夫。チョッとビックりしてさ。ありがとう智くん。梨良を絶対に幸せにしてあげて下さい」

「はい」

　俺は『優しく微笑むキミ』を見つめる『キミを見ていたいのはボク』の2枚を見せてさ。本気の想いを伝えたんだ。


　雅紀side

　嬉しかった。梨良の智くんへの思慕さ、俺心の中ではいつか報われて欲しいって願ってたし。チョッと悲しいけど……

　梨良。良かったね。俺と智くんと一緒にいたばかりに、おバカな女子に嫌がらせとか受けて。可哀想で。

(守りたかった)

　俺は、人見知りが激しくて。子供の時。でも、自分から人に関わらなくちゃって。強くならなきゃって。梨良を守る為に『人の注目を浴びる役目』って、大げさだけどさ。女子達の関心を自分に向けて……

　そんな事しなくても、賢い梨良は『控えめに出しゃばらない』で。自らさ窮地を乗り越えたんだよね。


　女子達の『智くんってカッコ良よね！』に乗らないで『私、雅にぃが良い』とか言っちゃってさ……

　だから。智くんへの想いを心の中に閉まってさ。違う苦しみを抱いたよね……