Peridot 幸せの花咲かせましょ〜初恋と宝石Ⅶ〜
第53章 優しいのは楓未奈ちゃんだよ。頑張ったね。たくさん
「すみません。松本さん。私心の機微を表情に表すのが苦手で。話を聞いてないとか。何を考えてるかわからない。とか感じるかもしれないですけど……」
そんな事を言った楓未奈ちゃん。瞳にたくさん涙を溜めて俺の話を聞いてるキミは 、充分過ぎるほど優しいと思うけどね。
『大丈夫です。居なくても心配なんてしないから』
本当に悲しくて重い言葉だたと思う。不器用だからたくさん傷付いて……人に自分の心を見せないように 。って してきたんだろうね。きっと……
「時にはさ、息抜きって必要じゃん? けど母は父にそれをさせようとしなかった。父は逃れなくてさ、他の女性に癒しを求めた」
「……」
重い話に聞こえないようにうまく話せてるだろうか?
「父の関心が離れた寂しさを、俺に関心を向ける事で紛らわそうとしたんだ。楓未奈ちゃんから見て俺とカズどう見える?」
俺、なんて意地悪な質問したんだろう?
「え?……あ、あの。松本さんは人の心傷に寄り添える優しい人。二宮さんは寄り添いつつ俯瞰で物事を見れる人?」
うん。凄いね。楓未奈ちゃん。
「ゴメンね。すげぇ答え難い事を答えさせて」
「いえ。あ、あの私失礼な事を。ゴメンなさいっ」
「謝らないで。俺が聞いたんだから。人の心傷に寄り添える。優しいのは楓未奈ちゃんだよ。頑張ったね。たくさん」
そう言うと。
「うっ、うっ......」
楓未奈ちゃんは小さく嗚咽をさ。このご時世だからね。マスクしてんだけどさ。
(このままじゃ呼吸困難になっちゃう)
チラチラと、こっちを見ている他の客の視線を感じるけどさ、俺が女の子泣かせたんだから責める様な視線はさ当然だよ?けど楓未奈ちゃんに不躾な視線なんて可哀想だ。
俺は不躾な視線から彼女を守るように、隣の席に座って楓未奈ちゃんが落ち着くまで背中をさすりながら、いじらしい彼女の事を、可愛いな。と思ったんだ。