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Peridot 幸せの花咲かせましょ〜初恋と宝石Ⅶ〜

第49章 いつから、ココにいたの?



 迷わず俺はファミレスの中に入ってって、彼女の目の前に立ったんだ。視界が暗くなったからか、気配を感じたからか、彼女はビクっとして一瞬動きを止めて。恐る恐る俺の事を見上げて来て。

 急に目の前に人が立ったたんだ。そりゃビッグリするよな。視線を反らして、テーブルに乗せていた自分の右手を見てスッと降ろし、俺の視界から隠した彼女。

 ブラックの薄手の長袖ブラウスから見えている右手首に……包帯?


「楓未奈ちゃんゴメンね。座っていい?」

 座っていい?とか聞きながら、楓未奈ちゃんの答えも待たずに座った俺。

(いつから、ココにいたの?)

 当の昔に氷の溶けたアイスコーヒー。コップは水滴の涙。

「一昨日、昨日と本当にゴメンなさい」

 そう言うと、視線を下に向けていた楓未奈ちゃんが顔を上げて。

 一瞬の間の後。

「い、いぇ。あの……私こそすみませんでした。初対面の方に酷い事……」

『母親に愛されて幸せなはずが「俺だけ」とか、甘えたな人か』

 の事だよな。

「いや、俺も『は?キミは!親に食事に、学費代、色々おんぶに抱っこの甘えたな女のコだろ!』って暴言吐いたしさ。まぁ、当たってるんだろうね」

 カズの感じてる事。表現に似てたから。図星刺されて焦ったんだよな。きっと……
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