Peridot 幸せの花咲かせましょ〜初恋と宝石Ⅶ〜
第35章 デジャブ
雅紀&未唯彩
8月4日(日曜日)。
「暑いっ!」
頭から湯気出てないよねっ?
って位、暑いっ!
ただいま俺は、体育館の目の前の校舎の、2階の教室を見上げてた。バスケットボール部が部活動を終え、解散したから体育館の扉を閉めて……振り返って、スポーツドリンクを一気飲みして。
「10時か……」
ふと視線をさ。
学校が夏休みだからって、教師にはさ、休みなんて。まぁ、身体動かすの好きだし、大好きなバスケットボール部の顧問。補習を受けに来ている生徒の監督の担当より全然良いしね。
あ、俺、相葉雅紀。*2001年、12.24生まれの22歳。私立の女子高校に勤めてるの。教師1年目。
(補習を受けに来た訳じゃないのに?)
で、視界に飛び込んで来たのは。
「夏休みに、何、学校に来てんの?」
俺の問い掛けに、視線を俺に向けのは……机に頬杖付いて、ぼんやりしていた女子生徒は、ビックリしたっ!って感じで頬杖を付いていた両手を頬から離してさ。
俺を凝視して来て。
「……補習です」
「うそだね。ハマミサ。未唯彩はトップクラスの成績じゃんか」
ちなみに、トップ争いをしているのは、サクショウとフミハマね。
「相葉センセ、先生って暇なの?あだ名も下の名前の呼び捨ても辞めて頂けません?」
(デジャブ)
サトオオの『酔っぱらいフリ作戦』で昨日、俺に言ったセリフだね。
*2024年 8月の話です。