Peridot 幸せの花咲かせましょ〜初恋と宝石Ⅶ〜
第14章 高鳴る胸がドキドキ
「暑い!」
俺は叫んでた。頭から湯気出てんじゃない?
前にも話たけど、俺、将来ゲームクリエイターになりたくて工科専門職大学のゲームプロデュース学科を専攻してるんだけどさ。課題とかさ。
今日は、8月4日。月曜日。
「暑い日にゃ頭回らないよ!」
煮詰まった……腹空いたな……
ふと、時計を見ると。
「10時か……」
「気晴らしに、ファミレス行くか」
俺、インドア派だし、ホント気が向かなきゃ外なんて出ないのよ。一人暮らし だからさ、食事だって食べたい時に出前取る。って感じでさ。
まぁ、色々起こり過ぎて、頭の中混乱してたのかもしれない。だから外に出てみよう。なんて、普段では絶対思わない事をさ。
何か感じたのかな……
「結翔ちゃん?」
俺、将来のため……イヤ、お金貯めるのが好きだからさ、ちょっと遠いトコに移動する時でも、歩こうと思うタイプでさ。30分歩いて。
無意識?
自分の住むアパートの近くのファミレスすっ飛ばして。結翔ちゃんちの近くまで来たみたいだ。
ふと、現実に戻り、下向いて歩いていたのに……ちょっと、立ち止まった瞬間、ファミレスの建物の右側。俺の居る場所に近い、2人用のテーブルの右側の席。視界入ってきたのはボンヤリしている結翔ちゃんで……
迷わずファミレスに入ったよね。
「結翔ちゃん!」
「ぇ?に、のみや、さん?」
声を掛けると、急に俺が現れてビックリして、?マークを飛ばしている結翔ちゃん。文庫型の日記帳かな?2冊胸に抱えてる?
「一緒にいいかな?」
と言いつつ、返事待たずに結翔ちゃんの目の前に座ちゃった。
泣いてたの?
大きな美しい瞳が真っ赤。美しい二重まぶたも、泣いたからか少し腫れぼったくて。
失礼だけど、マジマジと顔を見つめてしまった。
(綺麗……)
綺麗な整った可愛らしい顔立ち。腰まである長い、ライトブラウンの髪を赤色のリボンで、ポニーテールにまとめていて。
胸がドキドキ高鳴るのを感じていたんだ。