Peridot 幸せの花咲かせましょ〜初恋と宝石Ⅶ〜
第13章 父と母への想い
-コンコン-
ビクッ
不意にノックの音に、ビックって。
『返事してないのに開けるの辞めて』って言ってるのに……でも、不意打ち過ぎて固まってたら。
「結翔?」
やっぱりパパ……『帰り、明日になるから』って出張先から連絡して来てたもんね。総合商社の副社長を務める父。
「……昨日の事と、今日の事、智紗から聞いたよ結翔。その日記帳……茉結子(まゆこ)のだね……」
ビックリしたのと、優しい父の声に。
「パパっ」
涙腺が再び崩壊してた。
いっぱいいっぱい言いたい事あるのにっ。でも、父に抱く憤りとか、不満とか、独りよがりな憤りで不満だった。でも、口を開いたら不満や憤りを爆発させちゃいそうでっ。
(ホント私。甘えただっ)
「結翔……ブツケなさい。俺に言いたい事」
パパはお見通し……
そこからは、パパへの憤り、ママへの想い……止まらなかった。とても褒められたような態度じゃないし、言葉じゃないのに。パパは黙って私の背中を擦りながら、下手な私の話をずっと聞いてくれたの。
吐き出した後、ママがノートに託した想い、パパとママと、智さんのママの智紗さんとの関係とかを話してくれたの。
「もう一冊はパパと智紗さんの……勝手に見てゴメンなさい」
「うん。一緒になった頃の思いをやり取りしてたんだよ。2冊一緒に段ボールに収めたんだから、見られて困るとか、怒るなんて事しないよ」
私が、悩んでいる時、パパと智紗さんは心配してくれていたんだよね。
『結翔に、いつか茉結子との思い出を話してあげたいな』
『いつの日か……私も結翔ちゃんの茉結子との思い出、茉結子と私の思い出をお話し出来たら……』
もう一冊に、私への2人の愛が綴られていたの。
もう少し待って下さい。
『ありがとう』
を伝えるから……