第9章 家庭のゴタゴタは家庭で解決してくださいませんか？

　
「相葉センセ、先生って暇なの？あだ名も呼び捨ても辞めて頂けません？」

「明日から1週間位、お盆前までは忙しくなるよ。あだ名に関しては俺のシュミだから諦めなさい」

「訳わかんない。私に絡んで来ないでよ」

　相葉さんと「ハマミサ」こと、未唯彩ちゃんが面白い会話している。


　昨夜からほとんど話をしなかった「フミハマ」 ちゃんこと、楓未奈ちゃんが。

「母親に愛されて幸せなはずが「俺だけ」とか、甘えたな人か」

　うわっ。アニキ……潤に爆弾落としたよ！

「は？キミは！親に食事に、学費代、色々おんぶに抱っこの甘えたな女のコだろ！」

　女子じゃなく女の子。アニキの優しい性格が見える表現だな。

　アニキを褒めるなんてまっぴらだけど。フッて悲しそうな表情を浮かべた楓未奈ちゃん。


　-コンコンコン-

　場の空気を変える様に叩かれた扉。

「ハイ」

　結翔ちゃんが返事を返すと、智紗さんがティーセットをさ運んで来てくださってさ。特に何も言わず。でも心配そうな表情で退室した智紗さん。

　結翔ちゃんは智紗さんを目で追い、退室したのを待って。


「別に。気にしていませんから、家庭のゴタゴタは家庭で解決してくださいませんか？」

　と。俺とアニキを見て言ったんだ。


　まぁ、結翔ちゃんの意見は。ごもっとも、だよね。


「カズのコもにジュンアニ。話し合え。出来たらご両親も一緒に」


　相葉さんが小声で呟いたんだ。



　*ちなみに相葉さんは。

「大丈夫？結翔。未唯彩。楓未奈？「会話筒抜け」をやらかした2人が〜」

　の時に、３人の女の子の苗字、名前の漢字まで紙に書いて丁寧に教えてくれてたからね。俺らの名前は彼女達にさ。


「櫻井結翔(さくらい.ゆいか)「浜未唯彩(はま.みいさ)」「浜楓未奈(はま.ふみな」って表現してんの。俺。

　
　**ちなみのちなみ

「サクショウに。ハマミサとフミハマ。オイラは「オオサト」かな？「サトオォ？」ァハハ」

「梨に良い子の良いで、梨良ちゃん。オイラの高校の同級生〜」

　とか。騒ぎの大元の原因の「サトオオ」さんは梨良ちゃんと一緒かな？

「オイラが家にいなくても遊びに来てもいいよぉ」

　なんて「謝罪に伺いたい」って帰ってから速攻連絡したら、そんな答えが返ってくるような変わった人なんだよ。大野さんて……