Peridot 幸せの花咲かせましょ〜初恋と宝石Ⅶ〜
第8章 悪かったよ。家の事さアニキに押し付けて……
応接間を開け、隙間から顔を出して覗いた瞬間「なんで?」って感じで、わかりやすく嫌そうな表情をした「サクショウ」ちゃん「ハマミサ」ちゃん「フミハマ」ちゃん。
「座ったら?」
?マークを飛ばしている3人に声を掛けると、諦め諦めたように「サクショウ」ちゃんは俺の前。相葉さんの向かえに「ハマミサ」ちゃん。アニキの向えに「フミハマ」ちゃんが腰を降ろして。
「昨夜はお騒がせしてすみませんでした。俺は和也の兄の潤です。母が荒れているのを、俺にだけ……飲んでた和也にイラッとして……」
アニキが謝罪すると、困惑気味に3人は顔を見合わせていて。
そうだよねぇ、戸惑うよね?昨日さ、あんだけ派手に怒鳴りあってた俺とアニキが一緒にね?
「大丈夫?結翔。未唯彩。楓未奈?「会話筒抜け」をやらかした2人が一緒にとか、訳わかんないよね?「ジュンアニ」は、俺と同い年で幼馴染みなんだ「カズのコ」は、その流れでね仲良くなったの」
良い意味で、緊張感漂う空気をぶち壊した相葉さん。良く「本当、相葉さんは空気読めないんだから!」ってイジるのがシュミな俺……
違うね。こんな風に、変な空気になったかな?って感じるとさ、場の空気和らげる力がある人なんだよね相葉さんは。
褒めると図に乗るから言わないけどさ。
ほらね。俺が気にしてた「サクショウ」ちゃんの名前をさ、アッサリと、本名を呼んで教えてくれるとかさ。
「アニキ、悪かったよ。家の事さアニキに押し付けて……」
なんでか、素直に言葉が出て来たんだ。ビックリして、俺を凝視してる潤アニキには、気付かない振りした……