第16章 *colorful smill*〜青峰大輝〜
「ここです。」
「駅の近くにこんな公園あったのか…。お前、よく知ってたな。」
「趣味なんです、目立たないような落ち着く場所探すの。」
青峰君の手を引っ張って、ベンチに座る。
青峰君も同じように、私の隣に座った。
手はまだ繋いだまま。
「…もう少しですね、花火。」
「そうだな。」
星が輝く空を見上げると、パーンッ!と大きな音がして、空を花火が彩った。
「すげぇ…!」
次々と、空に花が咲く。
空を見つめる青峰君の目も、花火のせいか、キラキラと輝いていた。
「…綺麗ですね。」
そんな事を言いつつ、見つめるのは青峰君の横顔。
無邪気な目は純粋すぎて、光だったら、思わず目を瞑ってしまうくらい明るいんだろう。
「おう!お前と来て、良かった!」
眩しすぎる笑顔から視線を逸らしちゃうけど、本当は、すごく嬉しかった。
「私も、良かったです。」
そう言って、繋いだ手を握りしめる。
「…お前さ」
「なんですか?」
青峰君は、ちょっと戸惑ったように視線を逸らした後、真っ直ぐにこっちを見て、私の髪に触れた。
「…俺の事、好きだろ?」
「…え?」
思わず耳を疑う。
まさかと思っていたのに、全てを見透かされていたなんて。
その言葉が、まだ信じられなかった。