第16章 *colorful smill*〜青峰大輝〜
「一緒にいて、思ったんだ。お前、俺といる時は、他人に見せる愛想笑いじゃ無くて、本当に楽しそうに笑うな、とか。花火大会に誘った時も、やけに嬉しそうだなって。」
出来るだけ隠してるつもりだった本心は、青峰君には全部お見通しだったみたい。
その言葉に、反論なんてまるで出来なかった。
「ま、気のせいかもしんねぇけど…」
「…きだよ。」
ん?と言って首を傾げる青峰君。
聞こえなかったんだろう。
だから、私はもう一度、はっきりと言った。
「好きだよ。」
こんなにちゃんと青峰君の目を見たのは、初めてかもしれない。
今までずっと、こんな風に向き合った事は無かったから。
でも、私は怖くなかった。
後悔もしてない。
ただ、真っ直ぐに青峰君を見たいと、そう思った。
「…そっか。」
青峰君の頬は赤く染まっていて、照れくさそうに下を向いていた。
「…実は、俺…」
何かを決心したように、青峰君が言葉を放った時。
『パーンッ!』
花火の音が被さって、かき消されてしまった。
「す、すいません…。あの、もう一度…っ」
その花火が散った頃、私は、青峰君に唇を重ねられていた。
意外にも、包み込むような優しいキス。
「俺も、好きだ。香奈が俺の事好きかもって思ったのも、香奈の事、ずっと見てたからかもな。」
嬉しそうに笑う青峰君から目を逸らさずに、私も、笑顔で返した。
*colorful smill*
彩られた二人の笑顔は、何色だろう。
いつかきっと、
自分だけの色を、二人で見つけたい。