第16章 *colorful smill*〜青峰大輝〜
小学校までは、前からこんな性格だったものの、男の子の友達というものがいなかった。
女子は細かい事でも何かと根に持ち、挙句嫌がらせにまで発達する事も少なく無いので、私は必死に我慢していた。
帝光中に来て、私は、青峰君に出会った。
すごく面白い人だと思った。
誰よりバスケが好きで、すごく上手。
男子らしく、グラビアとかにも興味がある。
あとは、単純バカ…いや、『単純アホ』。
どうしてかは分からないけれど、すごく惹かれた。
大勢の女子の中という制限された場所で生きてきた私にとって、自由な青峰君が眩しすぎたからかもしれない。
それもあってか、小学生男子じゃ無いけど、私は青峰君をターゲットにした。
好きだからというよりは、ただ単に面白そうだったから、という方が正しいと思う。
青峰君は、私がわざと怒るような事をしてるだなんて、知らないだろう。
いつも私の事を「よく分からない」と言ってる所を見るに、ムカつくとは思ってないだろうから。
「あ、そういえば、お前さ。」
「はい、なんですか?」
そんな事にももう慣れたのか、最近はすぐに次の話題に移る。
「七月の三十日、花火大会行かねぇか?」
「意外ですね。青峰君は、そういうの面倒くさがりそうですが…。」
「そりゃめんどくせぇけどよ。どうせさつきに連れてかれるし。それよりは、お前の方がずっといいんだよ。」
そんな事を言われると、柄にも無く照れてしまう。
桃井さん、ごめんなさい。
「でも、私、その日同じ花火大会に家族と行くんです。家族のを断って青峰君と行ったら、彼氏と思われちゃうかもしれません。」
「うっ…。それがここの生徒に知れたら、それこそ面倒だな。」
「はい。だから、近くの公園で見るっていうの、どうですか?いい公園を知ってるんです。」
私が微笑みながら言うと、青峰君は、そうか、とどこか嬉しそうに返事をした。
「んじゃ、そこ行くか。」
「待ち合わせは、公園から近いので、星条駅の広場にしましょう。」
青峰君と二人で花火が見られると思うと、楽しみで仕方が無かった。