第15章 *Happy Birthday 8/2*〜火神大我〜
「これが噂の、期間限定ケーキ…!」
「ヤベぇ…!なんだこれ、普通よりデカい!」
フルーツケーキを見て目を輝かせ、感動してる私達は、周りから見れば、高校生とはいえまだまだ子供に見えるだろう。
けど、私達にとってはそれくらい、美味しそうだった。
「いっ…いただきます…!」
「いただきますっ!」
フルーツを先に食べるのはもったい無いので、取り敢えずスポンジ部分だけを食べる。
おっ…
「美味しいぃぃ…!」
口の中に広がる甘み。
柔らかなスポンジ。
クリームの中に入ってるフルーツは甘酸っぱい。
それらが混ざり合って、酸っぱさと甘さで、絶妙なバランスを保っていた。
私、このケーキだけ食べて生きたい…!
「………」
大我君は、もう感想を言う気もなく、ただひたすら食べ続けていた。
しょうがないと思う。
これこそ、『言葉じゃ表現できない美味しさ』なのだから。
…って、私、ケーキについて語り過ぎかな?