第13章 *君のせい*〜小堀浩志〜
水面に映った自分の顔を見て、まだ赤い…と思った。
その顔に更に恥ずかしくなって、顔を手で覆い、見えなくする。
浩志はもう少しでモップがけが終わるみたいだけど、あたしの方はまだもう少し水が足りなかった。
このまま泳いだって、問題ない気はするんだけど。
もういっそ、泳いでしまいたい。今。
「…ダメかなぁ」
ダメな事は知ってるんだけどね、と心の中で呟いて、水に触れた時。
ずっとしゃがんでいたからか、足が痺れて、ビリッとした痛みが走った。
「…いっ…!」
思わず、一瞬目を固く閉じて、また薄っすらと開けた時。
あたしの目の前には、綺麗な水が広がっていた。