第12章 *Happy Birthday 7/7*〜緑間真太郎〜
そして去年、三つ目。
叶うか叶わないか、半信半疑で願ったのは、
『香奈と付き合えますように』
というものだった。
人事を尽くしている俺に、まぐれなどない。
今までのは努力の結果だとしても、その時の願い事だけは、叶う気がしなかった。
…だが、俺の予想に反して、その願い事も叶った。
「俺と付き合ってほしい」
そう言ったあの日、香奈から返ってきた言葉は、
「あたしも…真太郎君の事、好き…だよ。あたしでよければ…その、彼女に、ならせてくださいっ…!」
だった。
正直、信じられなかった。
次の日に、夢ではないかと不安になったくらいだ。
でも、嘘ではない、夢でもない。
俺は香奈の彼氏になったんだと、実感した。