第4章 *××な彼とデートしたら*〜黒子、高尾、笠松〜
「…どうした?香奈。」
「えっ!?い、いや…。和成は、遊園地楽しかった…?」
「うん、香奈と来れたし、俺もう言う事ないかも。」
そう言って笑ってくれても、不安は全然消えなくて。
「そ、そうじゃなくて!遊園地自体はどうだった…?」
「遊園地自体?」
「あたしと来れたからとか、そういうんじゃなくて…」
楽しかったって言ってほしい。
でも、もし楽しくなかったら?
あたしばっかり楽しんでたなら…
「…ごめんね。」
あたしの言葉を聞いて、意外そうにする和成。
また笑って誤魔化されるかもと思ってたら、和成はあたしを優しく抱きしめてくれた。
「何一人で不安になってんだよ、香奈。俺が楽しいって思ってなかったら、とか考えてたっしょ。」
和成には何もかもお見通しで、あたしは正直に
「うん…」
と言うしかなかった。
「…俺だって、すっげー楽しかったよ。こんなにはしゃいだの、久々だし。」
「じゃあ、何でいつも誤魔化すの…?」
「それは…何か恥ずいだろ、デート中はしゃいでるのは子供っぽいっつーか…」
それはあたしを子供っぽいと言ってるのだろうか。
それを知ってか知らずか、「香奈がはしゃいでるのは可愛いけどな」と和成は呟いた。
「…でも何か、もういい。」
「え?」
「香奈見てたら、吹っ切れた。だから…これからは、隠すのやめる。」
髪に指を通した後、和成はあたしの頭の後ろに手を回す。
「観覧車はもう乗れないけど、最後にもう一回、ジェットコースター乗ろうぜ!」
「うん、そだねっ!」
今日一番の笑顔を見た後、あたし達は、そっと唇を重ね合った。
*明るい彼とデートしたら*
いつも明るいし
誤魔化すから気が付かないけど、
意外と意識してるんだね。