第4章 *××な彼とデートしたら*〜黒子、高尾、笠松〜
香奈side
「わぁ…!」
「香奈、もしかしてこういう場所好き?」
「うん!和成は?」
「俺はねー…。香奈が楽しそうなら、それが一番!」
「えーっ!?答えになってないよ!」
この場ではしゃぐあたしは子供っぽいかもしれない。
でも、でも!
ワクワクしちゃうんだよ、やっぱり。
…彼氏と初めての遊園地だから。
なのに、和成は大人っぽい対応で、いつもはしゃいだ様子を見せてくれない。
緑間君達の前では、あんなに楽しそうなのに。
「和成はいっつもそうやってはぐらかすー!何かズルいよ!?」
「あ、ジェットコースター行こうぜ!」
「ちょっと、話し逸らさな…うわーすごいっ、あの下りの角度はかなり楽しそうだーっ!」
聞き出そうとするけど、単純なあたしは、いつもこうやってすぐに流されてしまう。
いつの間にか不満に思ってた事なんて忘れて、二人で遊園地を満喫していた。
そして、夕日の綺麗さと『好きな人と乗ると永遠に結ばれる』というよくあるジンクスに釣られて、あたし達は最後に観覧車に乗った。
「楽しかったね、和成!」
「香奈は今でも十分楽しんでるだろ?」
「もちろん!それに、今日の事は絶対に忘れないよ。だって全部メモに書き留めたし、撮れる時はムービー撮ったもん!帰ったら日記書くんだー♪」
楽しげに夕日を眺めるあたしと、そんなあたしを見て楽しそうにする和成。
いつだってそう、和成が笑うのは、『あたしを見て』だ。
もしかしたら、遊園地以外にもっと行きたいところがあったのかな?
本当は今まで、全然楽しくなかったのかな。
そんな不安が脳裏を過る。