第25章 *Happy Birthday 10/2*〜小堀浩志〜
「どうって…言われてもなぁ。」
当然、俺と同じ立場ではない森山達は、回答に困っていた。
…うーんと皆が悩む中、黄瀬が「でも…」と話し始める。
「会いたいなら「会いたい」って正直に言っちゃえばいいじゃないんスか?それ以外思いつかないっス。」
黄瀬の「それ以外思いつかない」という言葉に、背中を押された気がした。
今まで、難しく考え過ぎていたのかもしれない。
「…そうだな、言わなきゃ始まんないもんな。」
「おう!小堀、応援してるぞ!」
「当たって砕けろっスよ!」
「おい黄瀬!砕けるのはマズイだろ!」
皆の声を聞きながら、不安に震える指先で、それでも俺は『これから会えますか?』と打って、メールを送った。