• テキストサイズ

Sweet Love* Part2

第25章 *Happy Birthday 10/2*〜小堀浩志〜


「あの…先輩の傘はどうするんですか?」


「私、二年の妹いるから。入れてもらう。」


「…ありがとうございます。」


再度お礼を言うと、そんなに気にしなくていいよ、と笑ってくれた。


「あの…クラスはどこですか?」


「3年A組。昼休みは教室にいるから、呼んでくれたらすぐ気づくと思うよ。」


遠野先輩は、クラスを聞いただけで、丁寧にそう教えてくれた。

何から何まで感謝してばかりの気がする。

それはきっと、遠野先輩が優しいからだ。


「じゃあ、明日の昼休み、返しに行きます。」


「うん。…また明日ね、小堀君。」


そう言って微笑んだ顔は、今でもハッキリと覚えている。

遠野先輩が好きだと気づいたのは、それから一ヶ月ほど後。

告白したのは去年の春。

付き合うようになって、楽しかった二年生が終わり、大学生と高校生になって思うように会えなくなってしまった今年。

色々あったけど、今でも俺はどう接するべきなのか分からず、時々戸惑ってしまう。

会いたい時も、「ごめん、その日は無理」と言われるのが怖くて、自分から言い出した時はなかったかもしれない。
/ 141ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp