第3章 *Happy Birthday 5/18*〜日向順平〜
「そうやって、すぐ子供扱いしますよね。そんな子供っぽいですか…?」
「…そういうわけじゃねーよ。」
先輩の声が、小さくなる。
目が泳いでて、どうしたのかと思ったら、
「ほら、家着いたぞ。明日も早えーんだから、早く寝ろよ。」
いつの間にか家に着いてて、先輩はあたしに背を向ける。
…今しかない、よね。
「先輩!」
「あ?…って、何だよ急に!」
「ちょっとだけ…で、いいですから…!」
驚く先輩の腕を引っ張って家に入れ、ドアを閉める。
「家誰もいませんから、リビングで待っててください!」
とだけ言って、あたしは自分の部屋に入った。
プレゼントを手に持ち、言葉の通り深呼吸する。
「おめでとうございますでプレゼント渡す、その後は…
す、好きって言う!」
何度も何度も確認して、プレゼントを背中に隠しながら、リビングへのドアを開ける。
先輩はあたしに言われたとおり、リビングのソファに座っていた。
「香奈、急に何だよお前…。何か今日一日、変だぞ?」
「そ、それは…」
大丈夫、おめでとうございますでプレゼント渡す、そして好きって言う。
おめでとうございます、プレゼント、そして…
「好きです、先輩!」
「…は…?」
好きですって言えば、完璧…だった。