第20章 *Happy Birthday 8/31*〜青峰大輝〜
四時間目の授業終了のチャイムがなって少しした時、さつきと良が屋上に来た。
そういえば遠野は来ないんだったよな、と考えて少し落ち込むけど、この顔はさすがに見せられない。
「大ちゃん、何ニヤニヤしてるの?」
「あ?してねーし。」
そう、俺はもう緊張を通り越してすっかりその気になっていた。
無意識に口角が上がるのは、自分でも気持ち悪いと思ってしまう。
「もしかして、何か嬉しいこととか…」
「何もねぇっつってんだろ!」
「ひっ!す、スイマセン、スイマセン…!」
強く言ってしまったのは、悟られたくないから。
さつきにバレたら、多分、いや、絶対に盗み聞きに来る。
それだけは嫌だった。
「…しょうがない。」
そう思ってた時、さつきが呟いた言葉に、嫌な予感がした。
「は?」
立ち上がったさつきを見上げて、何故か冷や汗までかいてしまう。
俺はしばらくそこに座ってたけど…
「今吉さんに聞きに行く!」
その言葉を聞いた瞬間、立ち上がってさつきのことを追いかけた。
「えっ、おい、それはやめろ!!あれに聞くのはまずいって!相談どころか通報に近いから、おい、だから、待てさつきぃぃぃ!!」
…結局、この勝負(?)は、二人とも教師に説教をされるという形で終わった。
つか良、何気なく一人で教室に帰っただろ!?
俺の弁当は!