第20章 *Happy Birthday 8/31*〜青峰大輝〜
青峰side
「…え?」
いつも昼休みに屋上に来る遠野が、珍しく朝に来た。
と思ったら、いきなり言い出したのは耳を疑うような言葉で。
「だから、放課後ちょっと用あるから、屋上にいてくれない?」
「お、おう…。」
「まぁ、いつもいるけどね。じゃあ、今日昼休みは来れないから、また放課後。」
遠野は、それだけ言って屋上を出て行った。
傍目から見ればボーッとしてるだけに見えるだろうが、俺の脳は今までで一番速く回転していた。
そして、ある予想に辿り着く。
…まさか、告白…?
予想と言うより、期待に近かったかもしれない。
俺は、遠野のことが好きだから。
「マジか…!」
遠野はほとんどが無表情で、笑ったところなんて一度も見たことはなかった。
さっきもいつも通りの顔をして言うものだから、告白なんて今でも信じられない。
いや、仮定だけど。
そうとは限らないのは、知ってるけど…。
「…何て返したらいいんだ?俺…。」
そんな独り言を呟いて真っ赤になってしまうほど、俺はそのことで頭がいっぱいだった。