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【進撃の巨人】自由の翼【R18】

第3章 口減らし


【その頃、調査兵団団長室にて】


「クソッ。『ウォール・マリア奪還作戦』なんて聞こえはいいが、こんなのただの口減らしじゃねえか。」

黒髪で三白眼、首元に白いクラバットを巻いた男、リヴァイ・アッカーマンは苛立ちを隠すことなく吐き捨てた。

「その通りだ、リヴァイ。」

7:3に分けられたブロンドの髪に碧眼を持つ男、エルヴィン・スミスが静かに同意する。

「上層部からの支援は雀の涙ほどしかない。恐らく避難民のほとんどは丸腰で壁外へ送り出されることになる。食糧も全員に行き渡る量は用意されていないだろう。」

エルヴィンの冷静な言葉を聞き、リヴァイの苛立ちはさらに高まる。彼は目の前の机を勢いよく蹴り上げた。

「ふざけやがって……!どいつもこいつも避難民を使い捨てのゴミみてえに扱いやがる!」

「リヴァイ、落ち着いて。」

怒りを露わにするリヴァイを宥めたのは、眼鏡をかけ、茶髪を後ろで一つに束ねたハンジ・ゾエだった。

「エルヴィンも何か考えがあるはずだよ。ねえ、エルヴィン?」

「もちろんだ。」

エルヴィンは、机の上に広げられた作戦資料に視線を落とした。その目は深い思慮を湛えている。

「上層部からこの作戦を伝えられて以来、あらゆる可能性を考えた。だが、全員を巨人と戦える兵士に仕上げるのは不可能だ。見込みのある者をある程度まで鍛える……それが現実的な限界だ。」

「まあ、それしかないよねえ。」

ハンジはエルヴィンの言葉に肩をすくめながら返事をした。

だが、リヴァイの苛立ちは収まらない。彼は眉をさらに険しくし、低い声で呟いた。

「クソッ……」

部屋の中には重苦しい沈黙が漂った。
エルヴィンはその沈黙を破ることなく、ただ資料の上で手を組み、何かを考えているようだった。
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