第11章 偽りの表情
…仲間……。
「わしは緑はんの本音が聞きたいんじゃ。嘘偽りなどいらん。緑はんは、ただ泣きわめけばいいんじゃ。」
仲間………。
「泣いたときは、その涙を隣でわしらがぬぐっちゃる!!」
ニカっと笑った顔は、いつもよりまぶしかった。
それだからなんだろうか、やけに視界がぼやけてきた。
なんなんだろう、目が熱い。
この…感覚は…。
私は一粒、また一粒涙を流した。
辰馬は私の頭に手を置いて、こう言った。
「すまんかったのう…。緑はん。」
嗚咽が止まらなかった。
~沖田SIDE~
部屋で、俺達は小さい会議をしていた。
「…結局、今日一番重要な単語は、『先生』ですかね。」
新八君が意見を言った。
「ああ、俺もそう思うぜ。今日何回も出てきたんでい。」
先生っていうのは、一体誰なんだろう。
一回、江戸城を攻めた時、定々を見た時の旦那の目を俺は忘れられねえ。
旦那は幕府も国も関係ないと言った。
そして、『先生を救う』と言ったのだ。
「その先生っていうのが、名前がわかればいいんですけどねい。」
「まったくわからないアル。謎ネ。」
謎だな。
考えをめぐらさせても、答えはでてこない。
「…ところで、吉田銀時ってどういうことなんでしょうね。あれから聞けてませんよ?」
「あ、そういやそうでしたねい。」
「吉田と言ったら、みーちゃんアルな!みーちゃんは『吉田緑』アル!」
…吉田?
吉田って……?
「そういえば、吉田って緑さんと一緒の苗字だね。そういえば、前子供の時からずっと一緒だったって聞いた覚えがあるよ。」
「みーちゃんと銀ちゃんは兄妹アルか!!」
チャイナが目を輝かせている。
「い…いや、そんなことはないと思うけど。」
眼鏡は大変だねい。