第11章 偽りの表情
「あ?読むに決まってんだろ。勉強くらいするっつーの。」
その言葉にはさすがに驚いた。え?あの旦那が?
「…銀ちゃん、一応聞くけど、今何歳アルか?」
「あ?…多分二十歳だと思うぜ。ヅラ達が今年で二十歳らしいからな。」
多分って…。
「多分って、どういうことですか?」
新八君はまた聞いた。
「あ?ああ、俺、自分が何歳か、しらねーんだわ。多分、ヅラ達と一緒だとは思うけどな。身長とか、顔とか、幼さが似てたからな。あ、晋助はチビだけど。」
また、衝撃を受けた。いや、その衝撃は意外と軽かったが。
重かったのは、チャイナ達だろう。
なんせ、家族同然で暮らしているんだ。それなのに、そんなこと今まで聞いたことがなかったからだ。
「ところで?総次郎くん。「銀時さん、総悟でさあ。」
なんでこの人は過去でも俺の名前を間違えんだっ!
「話したいことって、何?」
あ、そうだった。
「…実はですねい。」
俺は、今日の快援隊にどうして天人が責めたかの理由を、詳しく伝えた。
全部話し終わると、なんだか機嫌が悪くなっていた。
「銀時さん?」
「つまりなんだ?お前は緑のせいにしたいのか。」
いや、違いますけど。
「違いまさあ。このままだと、姉さ…緑さんはまた狙われるかもしれないんでい。だから、もう緑さんを戦にだすのはやめたほうがいいと思いまさあ。」
もともと、姉さんは女だ。いくらなんでも、女にこの戦場はきつすぎる。
「…そいつは無理な話だ。」
「どうしてアルか?!」
俺が反論しようとして、それをかぶせてきたのはチャイナだった。
「みーちゃんものすごく苦しそうだったアル!あんなみーちゃん、もう見たくないネ!」
しかし、あっさり旦那は答えた。
「あいつが嫌がってんだよ。」
「「「え?」」」
さすがに三人で声をそろえた。姉さんが自分で望んでる?
「あいつは、昔から男女差別が大っ嫌いでな。お前は女だからっていう言葉がさらに嫌いなんだ。」
…ああ、そういうことか。