第1章 追憶
「銀時。」
「あ?」
間抜けな返事。そんな声ももう慣れているけど。
「あのさ、あんがとね。」
「おう。」
銀時はそういうと、急いで立って、「今日の朝飯当番俺だったかな。」とかぶつくさ言いながら、部屋を出て行った。
「…あいつってさ、なんであんなに照れ屋なの。」
「俺に聞かれても知らんぞ、緑。」
「ありゃ~、なんだかんだ言って青春じゃの~。」
「青春とか言ってる場合かよ。」
やっぱり全員起きてた。
そう確信してたから言わなかったのだ。
銀時がきっと顔を真っ赤にしてしまうであろう言葉を言うのを…。
『 』
『おい…怪我でもしたら承知しねえぞ…。』
『背中がら空きだぞ?』
『俺は…あなたを護りたい。』
『あいつらほんに素直じゃないけんの~!…まあ、それはわしもか。』
『おい!危ねえ!』
『お月さん見ながら、みんなで酒でも飲もうや。』
『手ぐらい洗え、女でも男でもな。』
『わしは…宇宙に行く。』
『おい、お前、なんかきれいな髪だな。銀時より。』
『あんたも…迫害されてたの?女なのに?』
『僕小太郎!よろしくね!』
『緑…私はあなたの… 』
次々とまわってくる言葉に
立ちすくむしか私に
道はなかった。