第2章 時経てど
「っ!?」
バッと起きると、そこは薄暗い屋根裏。
まだ光りがほんのわずかしかないということは、まだ明け方近くなのだろう。
(………またこんな時間に起きてしまった。)
もう、あの日から、昼前まで寝ていたことなどなくなってしまった。
常に何かの不安に襲われて、大量の汗とともに目が覚めるのだ。
「………、新八がくるまえにシャワーしないと。」
私はそう言って屋根裏から出てきた。
~新八SIDE~
今日は目覚めがよかった。
こんな朝日を拝みながら目が覚めるなんて、きっと今日はいい日になるに違いない。
僕はすぐに家をでて、勤務先である『万事屋ぎんちゃん』に向かう。
「今日はいつもよりはやかったかな……。」
いつも早く起きてる緑さんも、さすがに起きてないだろう。
ドアの前まできた。僕はインターホンを押さずにこっそり入る。
やはり、緑さんは寝ているようだ。部屋が暗い。
「緑さん、起こそうかな……?」
そう言いながら屋根裏の真下へ。
すると、洗面台のほうで物音がしたので、急いでそっちのほうへ行ってみる。
すると、緑さんがタオルを体に巻いていて、いかにも今風呂からあがったところという感じだった。
そして、僕は目の前にグーが飛んできたところから記憶がなくなっていた。
~緑SIDE~
新八をぶっ飛ばした。
勢いがついてしまった。ただでさえも彼は私と歳がだいぶ離れており、もちろん力の差も明らかなのに……。
「まあ……こんなことでは死なないか。」
いつも神楽の暴力に耐えてるんだ、これくらいでへこたれんな。
「さて、部屋の電気ぃ。」
そう言いながら、電気をつけた。