第10章 五神の素顔
~沖田SIDE~
「……………。」
少しのいらだちと、悔しさで、俺は歩いていた。
さっき、高杉と姉さんが二人でいた。
なぜか見てはいけない気がして、すぐにその場を離れたが、やっぱりイライラする。
――――なんで姉さんをとられなきゃいけねえんだ
あれから何時間も経ってるし、今から会議だ。
にしてもやっぱりイライラする。
「あ、沖田さん!」
前を見ると、新八君とチャイナが立っていた。
「おいサド!お前どこ行ってたアルか!」
「ちぃーっと休憩してただけでい。」
そういって、二人を追い越す。
会議室にはいると、どうやらもう大体の人達は集まったらしい。
隅で泣いてる奴、うつぶせになってる奴、下を向いてる奴…。
さっきまで殺気むんむんで戦っていた男達とは思えない。
とりあえず俺達は特攻隊の最前列に座った。
特攻隊は数十人残っていた。
隣の快援隊の席を見る。
快援隊には誰も残っておらず、菊の花が添えてあった…。
―――――
「…では、今から出席をとる。」
こうやって始まった会議。
「隊長、緑様はどこですか?」
さっそく質問がきていた。
「うむ、緑は辰馬を看病しているため、会議は欠席だ。…と、いうことでいいんだよな?銀時。」
桂が質問した言葉にたいし、「…ああ」とだけ答えた旦那。
「ところで晋助、お前のとこの副総督…時宗はどうした?」
時宗って…、確か副隊長の…。
「……弟が死んだんだ。墓ぐらいたてさせてやれ。」
「そうか、すまなかったな。」
桂はそういうと、紙をだした。
「えー、まず人数を確認しよう。特攻隊の人数はどうだ、吉田隊長。」
?吉田?
「……総員150名。現在約50名。…死者約100名。」
そう答えたのは旦那だった。
「へ??吉田??」
つい新八君は声をだしてしまった…。