• テキストサイズ

美しき銀の刃

第9章 悲しき彼女の悪夢


坂本さんは、副隊長を見つけたようだった。

「…時忠…?おんし、時忠か?ちょうどよかった、緑はんしらんか?」

もちろん返事はない。

坂本さんは、副隊長の胸ぐらをつかんだ。

「緑はんば、どこにいるか聞いとるんじゃ!答えろ!!」

答えなんてないのに。

「…もう…ええ…。」

坂本さんは副隊長を静かに寝かせた。

すると、近くに刺してあった刀を見つけた。

「…これ、緑はんの…。…よかった…、生きとった…。」

そういうと、刀を抜く。

「それなら、安心じゃ…。まっこと安心ぜよ!」

坂本さんは、自分の首まで、刀をもってきた。

「っ!!坂本さんんんん!!!」

新八君は走り出した。俺も続けて走る。

「あの馬鹿もじゃ!!死ぬ気アルか!!!」

チャイナも走ってきた。

止められるか…っ!

坂本さんが、刀を振りかざす。

「坂本さあああああああああんんんんんん!!!!」

ビュンッ!!

ガシッ!!!

風斬る音と同時に、刃をつかむ音が聞こえた。

「ッ!!離せ!離さんか!」
「離すわけなかろう!!!」

刃を持っているのは、他でもない桂小太郎だった。

「貴様は今、何をしようとしているのか、わかっているのか!!」
「わかっちょる!!頼むけえ腹ば切らせてくれ!ここで終わりにさせてくれ!」
「そんな願いは叶えれん!」

あと少し動いたら、確実に坂本さんは死んでいた。間一髪ってところだ。

「頭を冷やせ!辰馬!お前が今死んだって、何にも変わらないんだぞ!!」
「わしが腹を切ったことによって、この事態の収拾ばつくじゃろう!考えんか!!」
「辰馬!」

チャイナや新八君は唖然としていた。

俺もそのやりとりを見ているしかなかった。

すると、目の前に、白が。

少し赤く染まってるけど、その姿を見て一瞬で誰かはわかった。

「…辰馬、それは事態の収拾じゃねえだろ。」
/ 181ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp