第9章 悲しき彼女の悪夢
~沖田SIDE~
「副…隊長……。」
新八君は信じられないという顔をした。
ついさっきまで、笑顔で話していた副隊長。
姉さんを護るって言っていた副隊長。
「…だから現代に副隊長はいなかったアルな…。」
チャイナはぽつりと言った。
俺は言葉を発することができなかった。
思考回路が停止してしまった。
…否、思考回路は別のところへ持って行っているからだ。
どうして快援隊が…。
そもそも、快援隊は、本陣を守る役目をしているため、前線ではなく、特攻隊、鬼兵隊、一番隊から守られている隊。
だから、天人が流れてくる数も、前線よりかは少ない。
それなのに…。
今、見渡した限り、快援隊は坂本さんと姉さんだけしか残っていない。
なぜだ?
『天人が少なすぎアル。おかしいアル、もう少しいてもおかしくないはずだヨ。』
チャイナがさっきそう発言した。
それは快援隊の陣営ではなく、特攻隊の陣営でだ。
…つまり…?
「っ!!!」
俺がビクッとなったことに、二人はこっちに向いた。
「どうかしたんですか?沖田さん。」
…これは…。
「?サド?どうしたアルか?」
……こいつはァ!
「…はめられた。」
「「へ??」」
俺は、二人に話した。
「ここには、天人が多すぎだと思わねえか?」
「?まあ、確かに、特攻隊のほうよりかは多い……え?」
新八君は何か異変に気付いたようだ。
「…さっき、私達がいたところより、ここのほうが明らかに天人の数が多いアル。どうして…アルか?」
チャイナは口に出した。
「…俺達は、はめられたんでぃ。」
普通、前線のほうがはるかに多い天人。
それがどうしてここのほうが多いのだろうか。
答えは簡単。
それは…