第9章 悲しき彼女の悪夢
「うおりゃああああ!!!」
チャイナは斬るというより、気絶させてやがる。
俺はチャイナが気絶させた野郎もで殺さなくてはいけないはめになった。
「おい、チャイナ!!ここでは殺さねぇとだめだ!やれよ!」
「お前に指図されるとか、虫唾が走るネ!私は誰も殺さないアル!」
「でも神楽ちゃん!この人達は敵なんだよ?!殺さないっと!だめなんだよ!」
新八君も刀に迷いが見えるが、なんとか斬っている。
「でも…。私、私…。」
「この人達は死ぬしかないんだよ?!それとも、近くにいる銀さんに全て任せるの?!」
その言葉でチャイナは気づいたのか、斬り始めている。やっとか…。
にしても…。
「これじゃ!斬っても斬っても!意味がねぇよ!!」
「まったく!ですね!」
天人側は一体何人いるんでい。斬っても斬っても、減らねぇ!
「こんなところで…。緑さん達はずっと戦っていたんですね…。」
「………。」
確かにここは地獄だ。
それも、やっかいな生き地獄。
こんな世界に、姉さんは…。
『…あんなとこ、行きたくないから、お前らだけで行きな。』
今なら、旦那がここにくるのを拒んだ理由がわかる。
旦那は嫌だったはずだ。
こんな生き地獄に戻ってくるなんざ。
そう考えて斬っているうちに、すでに100体くらい倒したんじゃないか。
でも、まだまだ増え続けている。
その時だった。
「沖田さん!!後ろ!!!」
新八君の声に反応して、思わず振り返る。
しまった!まだ後ろに一匹…。
すると、そいつは俺のほうへ倒れてきた。
俺はすぐよける。
「あ…。」
「まったく、貴様らは一体何をしているんだ。」
そこにいたのは。
「桂さん!」
「ヅラ!」
「ヅラじゃない、桂だ!」
桂小太郎が俺を助けてくれたらしい。
「いや…。あ、ありがとうごぜぇやした。」
「ふん、貴様、刀はめっぽう強いらしいが、油断しすぎだ。」
桂の忠告とか、本来ならイラッときて、バズーカぶっ放すが、ここは我慢だ。
「すいやせん…。」
「まったく…。」
少し呆れた顔をされた。さらにイラッ。