第8章 意外な男
「紹介するぜ、新兵。こいつが俺の兄貴、真田時宗だ!!」
副隊長がにこっと笑った。
「初めまして、一応鬼兵隊の副提督だ。」
副提督は爽やかな笑顔を送った。
「よろしくおねがいします!僕は志村新八っていいます!」
「私は神楽ネ!」
二人共はにこにこと自己紹介をしている。
「ええっと…。そこの君は?」
副提督が聞いてきた。
「……沖田総悟でさあ。」
一言だけつぶやいた。
チャイナも新八君も不思議そうな顔をしている。
「兄貴はこう見えても相当強いんだぜ!俺なんか足元にも及ばねーんだ!」
新八とチャイナはおお~っと言っている。
俺は知っている、この男の強さを。
一回刀を交えた。
ろくでもない男だったが。
…そういやあいつ、なんか妙なこと抜かしてやがったな。
なんだったっけ。
「僕、お相手してみたいです!」
「おう、いいぞ!」
新八君とチャイナはすっかり副提督と仲良くなったみたいで、新八君が稽古を頼んでいる。
しかし、あっけなく一撃でやられている。
「うわあ~、新八、だからお前はいつまでたってもだ眼鏡ネ。」
「うるせーな!!この人ほんとに強いんだって!!」
昔のほうが強かったみてーだな。
「沖田君、君はしなくてもいいのかい?」
「ええ、全然。」
「さぼっちゃだめでしょ。」
後ろから声がしたので驚いて振り向くとそこには姉さん。
「うわあ!み、緑さん!」
「総悟、だめでしょ。そうやってなまけてると、後で痛い目見るのよ!」
姉さんはどうやら、一通りみんなの稽古を見て回っていたらしい。
「ごめんね~、時忠。この子、ねじまがってて~!」
姉さんが俺の頭の上に手を置く。やばい、今と同じ状況下だ。
副隊長は、何やらそわそわしている。
「め、めっそうもございません!沖田君はその、だ、大丈夫です!」
何言ってるかさっぱりでい。
「あはは、そう。じゃあ、総悟の面倒、頼んだわ。」
そういうと、また別のほうへ行ってしまった。
「は、はいぃ!!」
…副隊長は少し緊張している。
それに加えてなんか…顔赤い。
え、え、待って…。
え、いやいやいや…。
えええええ!!!