第8章 意外な男
「もう!沖田さん、ずっと座り込んでたから、てっきり気絶してるのかと思いましたよ!」
きてそうそう、新八君にそういわれた。
「何言ってるアルか、みーちゃんの強さに圧倒されてただけネ。」
「それもそうか。」
…こいつら、俺のことなめてやせんか?
「ははは!しかし、沖田と言ったか?お前、なかなかの腕じゃないか。」
また快援隊の副隊長がやってきた。
「そうですかい?」
「そうだとも。」
そういうとニカっと笑った。
「副隊長さんは稽古しないんですか?」
新八君がそう聞いた。
「あん?俺だって、稽古くらいはするよ?」
そういうと、副隊長は素振りをし始めた。
副隊長は型がとてもきれいだ。
この人、実戦じゃあ相当強いんだろうな。
「副隊長さんも強いですよ!」
「いやいや、俺なんかまだまだだって!」
少し照れた顔をして、話を続けた。
「兄貴のほうが、よっぽど強いからな!!」
「「「兄貴??」」」
副隊長には兄貴がいたのか。
「おう。今呼んできてやるよ!!」
そういうと、道場をあとにした。
――――――
待つこと十分。
副隊長がニヤニヤしながら戻ってきた。
「あ、フクタイチョー!!」
チャイナがカタカナで呼んでいる。
隣には副隊長の兄らしき人がいた。
「おお、待たせたな!!」
隣にいる奴の顔を見た。
…………こいつは……!!
俺は一歩後ずさりする。
それに新八君も気づいたようだ。
「?沖田さん?どうしたんですか?」
こいつらは顔を知らない。
なんせその間気絶してたし、目を覚ましたとき、奴は顔が得体のしれないものになっていたからだ。
「……なんでもねえ…。」
こいつは…こいつは…。
姉さんを誘拐。
あげく犯そうとした。
そして俺と応戦。
姉さんに、重傷を負わした。
張本人。
あの時の、泥沼党のリーダーだった。