第8章 意外な男
~緑SIDE~
三人はしぶしぶ私の部屋に入ってきた。
「…用があるのら、入ってこればいいのに。」
「いや…その…。」
新八はすこしもじもじしている。
「男がもじもじして……。みっともないわよ。」
すると、総悟が私のほうを向いた。
「姉さ…いや、緑さん。なんで飯食わなかったんでい。」
「え?」
あ、ばれちゃってたか。
「うふふ、ばれちゃった☆」
「☆じゃないアル!ごはん食べないと生きていけないアル!!」
みんな心配している。
「…実はね…。」
あの子供は親がない孤児。
よくこの戦場に二人できては食べ物を盗みにきていた。
だから、ある日私がそれを見つけて、二人にはもう盗まないことを約束させて、朝ごはんだけ渡している。
そう伝えた。
「そうだったんですか…。」
「じゃあ、だん…じゃなくて、白夜叉さん達に言ったほうがいいとおもいますぜ。」
「う~ん…。なんか嫌だ。」
あいつらに言ったら、絶対責められるもん。「また黙ってたのか!!」って。
「なんか嫌だって…。」
「まあまあ。というわけだから、あいつらには内緒にしててよね!隊長命令よ!!」
無理矢理ねじふせたけど、まだ不服があるみたいだ。
そうしていると、どたどたという足音が聞こえた。
「失礼します!緑様!!」
「お?」
きたのは快援隊の副隊長だった。
「副隊長、どうしたの?」
「どうしたの?じゃありませんよ!今日の稽古は緑様がおつけになられるはずですよね??」
あ……。
「忘れてた!!」
三人の目がきつかったのは、私の気のせいじゃないだろう。
~沖田SIDE~
そう叫ぶと、姉さんは走って部屋をでた。
「あ、新兵。お前らも稽古にでろ。」
「「「稽古?」」」
「あ?知らないのか?戦争が起きないときは、基本的に稽古があって、隊長達がつけてくれるんだ。お前らは初めてだから、稽古にでろ。ほら、行くぞ!」
そういうと副隊長は廊下を歩いて行った。
俺達も後に続いた。