第8章 意外な男
~沖田SIDE~
…おかしい。
姉さん、さっきまで朝飯作ってたはずだ。
食べる暇なんてなかったはず。
…もしかして……。
「ごちそう様でい。」
俺は食器を片づけて、食堂を後にした。
「ええ?ちょ、沖田さん!!」
新八君とチャイナも後からついてくる。
「まだ全部食べ終わってなかったじゃないですか!一体どうしたんです??」
「姉さん、飯食ったと思うかい?」
その質問にチャイナが答えた。
「それ、私も気になったアル。だってみーちゃん、用意ずっとしてたのに、いつ食べたアルか?」
「そういえば確かにそうだね。」
新八君も、ようやく気が付いたようだった。
「あ、姉さんの部屋。」
俺達はふすまを少し開けて、中の様子をみた。
姉さんは床に座っている。
机の上には、飯が置いてあった。
「やっぱり食べてないみたいですね…。」
「今から食べるアルよ。…多分。」
すると、姉さんはしげみのほうへ体を向けた。
「?」
「おおーい!いるんでしょ?でてきなさいよ!」
姉さんがしげみに向かって声をだした瞬間だった。
しげみの中から、二人の子供が現れたのだった。
子供たちは、姉さんの部屋へ入っていく。
「おまたせ~、今日は少し遅くなってごめんね。」
「ううん。いつもありがとう!おねえちゃん!」
兄なのだろうか。礼儀正しくお礼を言っている。
「うん。ほら、誰かが来る前に急いで持って帰りな!!」「
「うん!!」
今度は妹と呼べる子が挨拶をして、飯っを持った。
二人はまたしげみに姿を消した。
「…すごいなあ……。」
新八君が声を漏らした。
「さてと…。三人とも、盗み聞きはよくないんじゃないかな?」
ビックリして体が固まった。