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美しき銀の刃

第7章 怪しく光る瞳


「偽善・・・・・ねえ。」

銀時はぼんやり呟いた。

私は銀時のほうをむく。

「銀時が悩むことじゃない。死んだらそれは運命、生きても運命。どっちにしろ、いつか人は死ぬんだから。」

小太郎はふっと笑った。

辰馬はニコニコしている。

晋助はぼんやりしていた。

「・・・・・・そうだな。俺、間違ってるよな。」

銀時は髪をボリボリかいた。

「俺、まあ、怖いけど、あいつら死なせないようにする。」
「最初からそういえばよいものを。」

小太郎は少し苦笑いをしている。

「うっせーよ。ヅラに言われたくねーな。」
「ヅラじゃない、桂だ。」

相変わらずまた言い争いが始まった。

辰馬が私に話しかけてきた。

「ところで緑はん、体の具合はいかがかのう。」
「ん?ああ、そうね。まあまあよ、多分まだ微熱。」

少し体熱いしなー。

その場にいた全員が硬直したのがわかった。

「・・・あのお、みなさん?」
「いやいやいや………。」
「おい、緑。」
「緑はん、おとなしく」
「寝とけ。」

四人が息ピッタリに台詞を言いまわした感じになっている。

「・・・・・ですよねー。あはははは・・・。」

銀時達は立ち上がって、私を部屋まで誘導した。

そのあとは、なぜか私は動くなといわれ、私の部屋で布団をしきはじめる。

「・・・・・・私これくらい一人でするわよ。」
「「「「だめだ(じゃ)」」」」

・・・・・・どうやら、おとといは相当ひどかったらしい。

熱が40度以上あり、一時期は命の危険が迫っていたという。

つまり、ここまでわずか3日で回復するなんて、私はよっぽど免疫力が強いのだろう。

「さ、病人は寝た寝た!」

ただの風邪をこじらせた熱だというのに、こいつら四人は私を子供扱いする。なんか腹立つ。

「ありがたいんだけど、寝たいときに寝るから・・・。」
「はあ!?そんなのお母さん許しません!!」
「私のおかんじゃないでしょ、小太郎。」

おかん癖、ほんと直してほしい。

「だあ!とにかくお前は寝とけばいいんだよ!」

銀時が無理矢理私を布団へ押し込めた。

「ちょっ!」
「じゃ、きちんとねろよ。睡眠不足はお肌の大敵だぞ。」

そう吐き捨て出ていった。
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