第1章 追憶
上の防具を脱がせると、雨で着物が濡れているせいか、少し透ける。
下はなんとかなったようだ。
「……ちょっと確認するが、俺達は決してこいつを襲ってないよなぁ。」
「「「もちろん(じゃ」」」
そして、いつも緑が使っている、浴衣を持ってくる。
「さあて…。おい、これを着替えさせることはできんのか。」
ヅラは考える。いや、考えなくても答えはでている。
『誰かが服を脱がして着替えさせる』
「俺には…とてもできない…。」
ヅラは頭を抱え込んでいる。
「悪いがわしにもそれはできん。」
「同じくだ。」
もう、お前ら…。
「…俺?俺にやれって…?」
三人はもう部屋の外に出ていた。
俺はいそいそと着物を脱がす。
幸いにも、包帯を体にぐるぐる巻きにしてあったため、全ては見えなかった。
「…きれいだな…。」
そう口に放った瞬間、緑のあの声を思い出す。
『私は、女の子なのに。」
…俺達は少し反省しないといけないかもしれない。
そうして、着替え終わらせた。