第1章 追憶
すると、いきなり緑は倒れた。
俺はすぐ緑の元へ駆け寄り、体を起こす。
緑はまだうっすらと目を開けていた。
額を触ってみる。なるほど、こんなに高熱では、混乱するのも無理はない。
「…こんな熱のまま戦っていたのか…。」
そういえば、出陣前も何かふらふらしていた。
それに気づいていたなら早く言っておくべきだった。
「私…は…、女…の…子…な…の…にぃ…。」
そういうと、意識を失った。
そこからは自分も頭が真っ白になって、とりあえず緑を抱えて桂達のところへ。
桂達は桂達で「とりあえず警備」だの、「水じゃあああ!」だの、「お、俺が運ぶ」だのわけのわからんことを言い出す。
こういうときに一番まとめてくれてたのが今倒れている緑なため、今回そんな奴らはいない。
「…だああ!もう!お前らに頼った俺が馬鹿だったわ!!!」
そのあとは、寝床に連れて行き、布団で寝かせた。
いや、その前にかなり大変だった。
布団をしいたはいいものの、とりあえず防具を脱がせないといけない。
縛っている髪の毛をおろして紙で拭く。
そして…。
「…おんしら、誰が緑はんの防具やら何やら脱がせるんじゃ?」
沈黙。
ここで「俺が」といえば、まるで下心丸見えだが、このまま寝かせれば余計に熱があがるだろう。
「…とりあえず、防具だけ脱がせてみないか。」
ヅラがそう提案したことにより、俺たちはそうすることになった。